私は、実現論において、サル時代に形成された共認機能が本能を超えた機能であるだけではなく、DNA変異に代る画期的な進化機能の実現であった事を明らかにしました。それに対して、ここでは共認機能の弱点or欠陥について触れておかなければなりません。共認機能は決して完璧ではなく、それは必然的に自己の破壊回路を生み出して終うのです。

期待・応合回路は、周りの期待に応えている充足の欠乏or期待され認められることの欠乏を生み出します(これを近代風に表現すれば、存在理由の欠乏とも云えますが、本質的には役割や評価の欠乏です)。とりわけ評価共認は、期待・応合回路上の各所に「与えられない期待や評価」に対する欠乏の塊を生み出し、その不全感を捨象すべく(実現論で述べた-捨象+収束のドーパミン快感回路を使って)他者否定と自己陶酔を目的とする自我回路を形成して終います。この自我回路が生み出すのは、全て「現実には与えられない期待や評価」の代替充足物であり、従って全てが実在しない幻想です。また「与えてくれない」相手や集団に対する他者否定と自己正当化の塊なので、共認の敵対者とも破壊者ともなる危険性を秘めており、言わば共認機能が生み出した鬼っ子です。

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この様に、共認回路は必然的にその副産物として自我回路を形成して終います。但し、必然的と云っても、夫々の回路の伝達物質は異なるので、自我回路(ドーパミン)を刺激しなければ、純粋な期待・応合(エンドルフィン)に基づく雌雄充足共認や親和共認や役割共認の回路が作動します。(補:共認回路とその派生物たる自我回路は、共に本能と観念の中間領域に存在していますが、共認回路の方がより基底的な位相にあり、自我回路の方がより表層的な位相にあります。)

しかし、真猿の段階では、性闘争⇒序列闘争は共認によって制御はされていますが、完全に封印された訳ではありません。それに、哺乳類→真猿の、とりわけ(年中発情するまでに進化した)チンパンジーの性闘争本能は強力です。しかも、この性闘争の本能回路は「自分以外は全て敵」とする回路なので、性闘争回路が他者否定と自己正当化を目的とする自我回路に直結し、両者は不可分に相乗収束してゆくことになります。(注:性闘争本能が自我を生み出した訳ではありません。自我は周りの規範共認や評価共認に対する否定を源泉として始めて生まれます。ただ、共認回路がその副産物として自我回路を生み出した以上、性闘争本能の回路は後から必然的に自我回路に収束してゆくことになるということです。)


四方勢至