現在の風潮として、これからの時代に求められている人材は、オールラウンドに物事を考えられる人間であり、極度の専門分化は悪であるという考えが広がっているように思います。

しかし、重要なことは、専門分化を排除することよりも、専門家の意識転換がまず第一に問われるべきことのように思います。

私権社会においては、専門家が、専門の利を生かして得た情報は、自らの特権性と地位を築くために利用されていたのではないでしょうか。今日の社会と専門家の間にできた大きな溝は、専門家が自らの特権性を守るために、諸問題から専門外の視線を排除し、より強固な特権性へと慢心していったことから生じたように思います。こうして広がった大きな溝が、今日の専門分化からオールラウンド志向への移行につながっているように思います。

重要なことは、オールラウンドに物事を考えるという視点はもちろん、全ての人間があらゆる社会問題に関心をもち、発言権や変革していく力を有することは当然のことであるという認識に移行していくことであり、教育・環境・高齢化といったさまざまな社会問題に対し、各分野の専門家が、自分たちのみが問題解決を担っている存在だという意識を捨てることだと思います。

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専門家が、自分のみが問題解決の役割を担っていると考えるのは傲慢であり、逆に、ある問題に専門として従事していないからといって、専門家に全ての問題解決を期待し、不満を募らせることも、自らの役割を拒絶していることだと思います。

今必要なことは、一人一人が社会全体の問題にオールラウンドに関与することであり、その意識の元で、自らの専門とする役割を担うことだと思います。こうした意識の中では、専門家の役割は、専門の利を生かして得られた情報を、社会全体の議論の中で提示することのように思います。

ですから、オールラウンドな意識の元で、問題に対する広い共認が築かれていれば、その中で専門分化によって個人の役割を担うことは、けっして悪として排除されるべきことではないように思います。

これからの専門家像を考えると、特権意識を持った専門家像を捨て、オールラウンドな意識の元で自らの役割を位置付け、専門の利を生かした情報吸収と情報提供をすることではないでしょうか。



KOU