>答えがないから目先収束――。この潮流に乗って、ヒトラーとナチスは、合法的かつ国民の圧倒的支持により、権力を獲得します。目先収束がファシズムを生んだのです。96336

第二次世界大戦前、ドイツではナチスが政権をとり、日本でも軍国主義政権となった。日本・ドイツは、欧米による世界的な侵略戦争・市場競争の中で追い詰められた国家だった。ファシズム・全体主義が登場したのは、追い詰められたからである。逆に、侵略競争・市場競争の勝者である米英では「個人の自由」を謳歌できた。

にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ
当時の日本やドイツの国民も、追い詰められている危機感を強く感じていた。だから、たとえ誤魔化しであっても、戦争に勝てる基盤や根拠がなくても、(他に危機を突破する答えがないがゆえに)ファシズムを支持する他なかった。そうして、一切の批判が封鎖され、共認支配されていった。

戦後、後進国が続々と市場に入っていったが、いずれも市場競争の中では弱者であり追い詰められた。そして後進国は、ほとんど例外なく同じような全体主義・社会主義的な体制になっていった。このように、ファシズムとは、追い詰められた(にもかかわらず突破する答えが出せない)国家の専売特許である。また、そこでは、戦前の日本やドイツがそうだったように、国家とマスコミが結託して共認支配される。

今回の小泉問題にもこの構造は共通している。確かに、現代日本は、市場競争においては勝者側であり、そこでは追い詰められているわけではない。ところが、現代は、庶民も政治家もマスコミも収束不全の顕在化によって追い詰められている状況であると言える。

'00~'02年にかけて、私権観念が崩壊し収束不全が顕在化した。ところが、答えがないがゆえに、人々の意識は目先の秩序の収束していく。73070 73071 人々は、収束不全で追い詰められているが故に、そこに可能性がないことがわかっていても、目先の秩序に収束しているとも言える。

マスコミも自民党も答えを出せず追い詰められている。マスコミが小泉自民党の誤魔化しをなんら批判せず結託するのも、小泉以外に視聴率がとれないからである。あるいは、自民党の政治家たちが、奇人変人にすぎない小泉に頼らざるをえないのも、小泉に乗っからなければ票がとれないからである。今や、旧支配階級である政治家もマスコミのやっていることは、実は追い詰められた果ての最後の悪あがきである。この状況認識が必要ではないだろうか。

戦前、私権闘争で追い詰められてファシズムに走った日本やドイツは、私権闘争(戦争)に勝てる基盤と答えがなかったが故に、戦争で敗北した。収束不全で追い詰められたマスコミや政治家は、収束不全に対する答えが出せないが故に、共認闘争によって敗北するしかない。つまり、マスコミや小泉の誤魔化しであること、根底的な変革が必要であること、その基盤はすでに整っていることを、私たちがどれだけ明らかにできるかにかかっているのではないだろうか。
 
冨田彰男