連日、ヨウ素やセシウムといった聞きなれない化学物質が報道されるがどのような物質かという説明はほとんどない。アイラブサイエンスというメールマガジンでその説明があったので紹介しておきたい。
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東京電力福島第1原発付近の海水からは、法定基準を上回る放射性物質のヨウ素131が検出された。東電は22日、新たに同原発から南に16キロ離れた場所の海水でも16.4倍のヨウ素131が検出されたと発表した。海水汚染の範囲は拡大しており、政府は今後、水産資源への影響を調査する。法定基準は、放射性物質を含む海水を1年間飲み続けた場合、1000マイクロシーベルト被ばくすると仮定した値に設定されている。検出された元素の種類から東電は「原子炉から漏れた」と認めた上で、「直ちに健康影響を及ぼさない」としている。(毎日新聞;2011年3月22日)
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【ヨウ素とヨウ素131】
 ヨウ素(iodine)は原子番号 53 の元素。元素記号は I。あるいは分子式が I2 と表される二原子分子である沃素の単体の呼称。ハロゲン元素の一つであり、ヨード(沃度)ともいう。融点は113.6Cであるが、昇華性がある。固体の結晶構造は紫黒色の斜方晶で、反応性は塩素、臭素より弱い。水にはあまり溶けないが、ヨウ化カリウム水溶液にはよく溶ける。これはヨウ化物イオンとの反応が起こることによる。
 
単体のヨウ素は、毒劇法により医薬用外劇物に指定されている。海藻類はヨウ素を海水から濃縮して蓄える。ヨウ素は海藻を焼いた灰を水に溶かし塩素で酸化して得ていた。

チェルノブイリ原子力発電所の事故では、核分裂生成物のヨウ素131が多量に放出されたが、これが甲状腺に蓄積したため、住民に甲状腺ガンが多発した。放射能汚染が起きた場合、放射性でないヨウ素の大量摂取により、あらかじめ甲状腺をヨウ素で飽和させる防護策が必要である。そのため、日本は国民保護法に基づく国民の保護に関する基本指針により、核攻撃等の武力攻撃が発生した場合に武力攻撃事態等対策本部長又は都道府県知事が、安定ヨウ素剤を服用する時期を指示することになっている。
 なお、独立行政法人放射線医学総合研究所は、たとえヨウ素を含んでいてもうがい薬や消毒剤など、内服薬でないものは「安定ヨウ素剤」の代わりに飲んだりしないようにとしている。

【セシウムとセシウム137】
 セシウム(caesium)は原子番号55の元素で、元素記号はCsである。セシウムは非常に軟らかく(全ての元素の中で最小のモース硬度を持つ)、延性に富み、銀白色の金属である。少しでも酸素が存在すると金色を帯びてくる。融点は28.4℃で、常温付近で液体である5つの元素のうちの1つである。水銀はセシウムより融点が低い唯一の金属である。セシウムの化学的・物理的性質は、他のアルカリ金属のルビジウムやカリウムと似ている。この金属は、水と-116℃で反応するほど反応性に富み、自然発火する。

 ウランの核分裂により生ずる、セシウム137は、半減期30.07年の放射性同位体である。医療用の放射線源に使われるが、体内に入ると血液の流れに乗って腸や肝臓にガンマ線を放射し、カリウムと置き換わって筋肉に蓄積したのち、腎臓を経て体外に排出される。セシウム137は、体内に取り込まれてから体外に排出されるまでの100日から200日にわたってガンマ線を放射し、体内被曝の原因となるため大変危険である。

 セシウム137に汚染された空気や飲食物を摂取することで、体内に取り込まれる。なお、ヨードや安定ヨウ素剤などを服用してもセシウム137の体内被曝を防ぐことはできない。1987年には、ブラジルのゴイアニアで廃病院からセシウム137が盗難に遭った上、光るセシウム137の塊に魔力を感じた住民が体に塗ったり飲んだりしたことで250人が被曝、4人が死亡する大規模な被曝事件が発生している(ゴイアニア被曝事故)。

 参考Wikipedia「ヨウ素」「セシウム」
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一番怖いのは、セシウムのように体内に入って最大200日間放射線を体内で発し続けるという物質である。食物のように簡単に対外に排出されるのではなく、排出するまでかなりの年月がかかる上にその期間に体内を汚染していく。これが体内被曝のメカニズムであり恐ろしさでもある。つまり極端に言えば、体内に小さな原発があるような状態になってしまう。

当然これをそのまま報道すればパニックになるので直ちに影響はないという言い方になるのであろう。しかしウィキペディアにも乗っているような情報で、これを隠したからといってどうなるのだろう。

必要なのはまずは事実を知り、その対応や覚悟を国民一人一人が固めることだと思う。これからはマスコミや政府に頼らず、ネット上でコツコツと事実を積み上げていくことが必要になる。その場としてより多くの事実情報が集まるサイトは大いに活用してもらいたい。


田野健