248104の続きです。
『新しいエネルギーの未来』(田中優×小林武史緊急会議(2))リンクより転載します。
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●日本はスマートグリッド先進国

小林 最近、風力発電に関しても、かなり否定的な人もいますよね。

田中 風力発電による低周波被害と、バードストライク(鳥がぶつかってしまう事故)なんかを理由にね。

小林 あと、風力発電の国の助成金をあてにして「実際に発電するかどうかは問題じゃないんだ」みたいな暴言をした人がいる、なんてことも含めて。真面目に考えている人までもが攻撃されている部分もありますよね。

田中 面白い話があるんですよ。秋田県のMECAROというちいさな会社が作ったスパイラルマグナスという風車は、普通なら3本の羽が、5本付いているの。その1本1本は丸い棒で、表にスパイラルのようなものが付いていて、風が吹くと一方にだけカラカラ回って、カーブを投げたときと同じで羽全体が回転するんです。それはゆっくり回るので、低周波も出ないし鳥がぶつかることもない。
なおかつ、強い風にも強くて、NASAで実験したら風速50mでも発電したそうです。去年最大の台風は風速38メートルだから。つまり、台風のさなかでもゆっくり回って発電しちゃうという、信じられないような風車を作っているんだよね。

小林 それは、初めて聞いた。  
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田中 小規模な会社で、そこまで大量生産できる体制じゃないから価格は高いかもしれない。でも、とっても高いというほどでもない。もともと理論はドイツにあったんですけれど、実現したのは日本が最初。今の時点では中型ですけれど、大きくすればこれまでの風車と置き換えることもできます。それなら、従来の風力発電が持つ問題も解消できる。それともうひとつは、本当は風車を使うのに一番良いのは海の上なんですよ。何の抵抗もなくて風も強いから。ところが、日本は海がすぐに深くなっちゃうから風車を建てられないんだよね。
小林 浮かせる形もできるんじゃないかってことですよね。

田中 それを九州大学がもう作っているんです。それはカーボンファイバーというすごく軽い物質で作っていて水に浮くから、海の上に並べておくと勝手に発電して電気を送ってくれるという仕組み。日本は国土が狭いけれど、海の面積を入れれば12倍になるんですよ。そうすると、日本はすごく大きい国になれる。

小林 それは、漁業への影響はないんですか?

田中 今の電気をまかなうのに、そんなに本数はいらないからね。東京電力が東京大学に委託して、犬吠埼に風力発電を建てたらどれだけ発電するかを調べたそうです。そうしたら出てきたデータが「東京電力がまかなっている電気が全部作れます」というものだった。犬吠埼の沖合だけで、だよ。

小林 すごい。

田中 そうしたら東京電力は「そのデータは公表しないでください」と言った。だけど、こっそりとインターネットに公表されていたのを僕は検索して見つけてさ。

小林 (笑)。

田中 もうひとつすごいのが、神戸大学院の先生が作ったものなんだけれど、波力(波の力)で発電する仕組みがあるんです。今までもあったんだけど、すごく複雑で大掛かりなものだったわけ。だけど、神戸大学院の先生が作ったものは、たった9メートル×15メートルという小さな発電機を、海に浮かべて回すだけで、45キロワットずつ発電するというものなんです。ジャイロっていうんだけど。世界で最もシンプルなもので、コストは安い、発電量は多い、というもの。
小林 そういった技術をね、例えば、あるエリアでは当分これでやってみよう、このエリアではこれができるといいよね、と進めてみるとかね。そのうちでいくつかが実現に向かっていけば、開発する側のモチベーションもあがって今よりもっといいものがまた生まれていくだろうし。でも今は風力発電の技術が進んだとしても、送電線の問題で、利用するまでの道筋がまた難しいわけだ。だから、送電線を国に買い取ってもらって、開放させたい、ということになるわけだよね。

田中 そういうわけです。スマートグリッドを進めていくのに必要なのはね、まず自然エネルギー。これは実は世界の中でも日本がトップの技術を持っている。その次にバッテリー。これも日本が世界でトップですよ。次は電気自動車。これも実は日本で開発されているものが、世界一効率がいいと言われている。あとはIT。これも日本が得意なジャンルじゃない。
で、もうひとつは省エネ。ここに関しても実は日本がいちばんなの。電力会社が邪魔していて伸びることができなかっただけで、電力会社をよっこらしょってどけることができたら、スマートグリッドを世界一、進めることができるのは、実は日本なんだよね。

 ~後略~
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猛獣王S