■関西電力のほうが原発依存度は高い

関東地方の原発問題や電力問題が取り沙汰されることも多いが、東電の原発依存度30%に対して、関西電力は50%という高比率である。原子力発電依存の問題は、関東の問題ではなく、むしろ関西の問題とも言える。
(電力会社9社の原発依存度リンク


■高速増殖炉「もんじゅ」の深刻な危機

関西電力では、若狭湾に多量の原発を建設しているが、その内の一つ高速増殖炉「もんじゅ」では、福島原発以上に深刻な危機に瀕している。

日本に存在する原発のほとんどは、ウランの核分裂反応を利用して、熱→電気を取り出すものだが、原子炉の中でウランを燃やすと燃料中にプルトニウムができる。この燃え残りのウランとプルトニウムを使って発電しようというのが高速増殖炉である。軽水炉のように中性子の速度を(減速材を使って)落とすことなく「高速」で使い、また発生した中性子によってプルトニウムが生まれるので、使用量以上のプルトニウムが得られるので「増殖炉」と呼ばれる。軽水炉では、中性子の速度を減速するための減速材として水(軽水)が使われ、冷却材の役割もかねる。これに対し高速増殖炉では、中性子を高速のまま使うので、冷却材としては中性子を減速することなく、しかも熱を伝える効率のよいナトリウムを使われることが多い。

2010年8月、「もんじゅ」で炉内の燃料棒の交換装置(3.3t)が落下するという事故が起こった。炉内には高濃度プルトニウムが詰まっており、しかも地震層の真上にあることが分かった。高速増殖炉は構造上、配管が複雑でしかも薄い。地震が発生すれば、炉内に落下した交換装置が燃料棒を破損させるおそれがある。(リンク

しかし、この交換装置を取り除くために蓋を開けると、炉内の冷却材(液体ナトリウム)が外気と反応して、爆発してしまう。かといって、ナトリウムを抜けば、炉を冷却できなくなり、プルトニウムの核分裂反応が暴走→爆発してしまう。冷却材を抜くためには、まず燃料棒を抜かなければいけないが、その装置が落下してしまっている。
落下した装置の回収に半年で24回チャレンジしながら、全て失敗。どうにもならない状態の中、担当者は自殺。年間維持費500億を食いつぶしながら、未だ発電できずにいる。制御棒を挿入して、なんとか冷却し始めているが、それまでに地震が発生して被害を受ければ、半径300kmにプルトニウムが飛散し、甚大な被害を与える。

プルトニウムは、福島原発3号機でもMOX燃料として使われているが、プルトニウムが出す放射線はα線であり、貫通能力が非常に低いと言われている。これは逆に、吸い込んでしまって肺にでも溜まれば、人体が全て吸収してしまうということであり、最も危険な物質だと言われる。

原子力開発機構は極めて楽観的な発表を続け、しかもマスコミで報道されることはほとんどないが、「もんじゅ」は「福島」以上に「いつ何が起こるか分からない」状態にある。


内藤琢
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