『◆「政府ごっこ」の気は済んだかい?』(兵頭二十八の放送形式)リンクより転載します。
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 ~前略~

こうなってしまった謎は簡単で、レーニンが看破したように、電力は工業を支配するからです。蒸汽力ではなく、電気モーターで工場を動かすのが、近代強国です。

そして支那事変以降、陸軍統制派(隠れマルキスト)の統制経済がすすめられ、日本国内の電力事業者は強制的に統合させられ、その体制が戦後まで継続し、京浜工業地帯の工場主の死命の権を東電一社が握るようになった。

競争が働かないうえに誰からも逆らわれない絶対君主だものだから、じぶんたちがいちばん儲かる原発スキームをつくりあげ、みずから腐ったという次第なのです。

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地熱(温泉業者と利益が背反しない方法がある)とか、波力の開発に十分なおカネが回されなかったのは、素人目にはいかにも不思議です。歴代政府の、代替エネルギー開発戦略に、「ヘッジ」がなさすぎました。しかしこれも、種が明かされてしまえば単純な話で、東電や原発エリート一家が未来永劫、いちばん得をするスキームじゃないものは、その一家によって排除されたまでなのでしょう。原発こそが、彼らが得をする「マトリックス」だったのです。

米国で石油業界が占めている「工業の王様」の地位を、日本では原発一家が占めんとした。しかしこのスキームも、もうおしまいです。

こんご、許される原発研究は、ポータブルな超小型原発や、「固有安全性」を有する第四世代原発(斉藤さんによれば、今、カザフに建てているような高温ガス炉は、まだ「第四世代」とは呼べないのだそうです)の試験などに限定されるでしょう。第四世代原発ができるまでには30年はかかるでしょうが、用意周到な共同体にとっては30年などあっという間です。30年後にはシナ人とインド人の一人あたりの化石燃料消費量がいまの北米並になっているかもしれません。となるとガソリンなどはリッター1万円になっていてもおかしくありません。そのとき、わたしたちの子孫を極端に貧窮化させ、自存自衛もできなくさせてしまうのが面白くないと思うならば、第四世代原発の技術研究まで今からオプションから外してしまうのは、間違っているでしょう。

これから3年間が、日本の人民にとっての苦難の日になります。

というのは、50ヘルツ→60ヘルツ変換の設備の増強や、高圧直流送電ケーブルの新設は、お役所手続きに従ってやっていると、3年くらいかかってしまう。日本の内閣総理大臣にFDRのような指導力があれば2年以内の突貫工事だって可能ですが、いまの日本には「政府」すら存在しません。「政府ごっこ」があるだけなんだから。

この3年の悪夢をすこしでも短縮する方法は、あります。「民活」です。

東電以外の電力会社が、京浜地区の工場に対して、独自の給電ケーブルで、デュアル給電できるように、するだけでよいのです。

関西電力や中部電力、北陸電力などにとっては、これは大いに儲かる話ですから、最大スピードでつくってしまいますよ。そこからは、健全な競争も、始まります。

もちろん東電は百の屁理屈を掲げ、総力を挙げて反対するでしょうけどね。

安い夜間電力を溜めておいて、昼間に使う方法も、いろいろあり得ますが、これまた歴代政府の「ヘッジ」がなさすぎて、すぐにモノになるかどうかはわからない。しかし、やるしかないでしょう。たとえばフライホイール。また、酸化還元物質の液体プールを地下につくって、それを「巨大バッテリー」にする方法も、外国で提案されています。

こうして夜間に「蓄電」した電力を昼間、工場に対して自由に売ってよい、という「規制緩和」が必要です。それによってベンチャーの「蓄電屋」が簇生し、彼らがあっという真に京浜工業地帯の夏の電力問題を解決してくれますよ。

京浜の大工場が、自前でコジェネ発電して、少し電力が余ってしまったのを、隣の工場に売る。こういう商売も、工場限定(つまり一般住宅は対象とさせない)で、どんどん許すことです。またそうした工場間の「売電」の斡旋をするベンチャー企業も、許すことです。

そうした新商売は、民間工場も助けるし、日本政府には税収増になるし、景気はよくなるし、雇用は増え、よいことばかりです。

天然ガスを燃やしてガスタービン発電してその電気を京浜の契約工場に売る、そういう商売も、東電以外の新規参入会社に対して、自由化してやることです。ミニ火力発電所を海上、つまり船や筏の上に置くことも自由化することです。それやこれやで、規制緩和をすすめたら、3年もせずに、日本の電力不足は解消してしまうでしょう。復興増税の必要はありません。

石炭火力発電所も、できれば日本中に分散的に多数、建設する必要があります。天災や人災のリスクを抑制する最善の策は、あらかじめ、発電所を徹底的に分散しておくことだ、というのが今次の教訓ですから。もちろん京都議定書からは「一抜けた」。誰も文句はいわんでしょう。

壊滅した東北地方の産業は、苫小牧に移すことです。人もいっしょに、です。すでに漁業者の一部は、道東に移転をはじめましたね。商売道具が漁船だから、なじみの寄港地に身を寄せやすいのです。農業だって工業だって、北海道には収容の余地がありますよ。

1999のJOC臨界事故の直後につくられた、原発災害用というロボットに、放射線に強い「ガリウム砒素」チップを使っていないなんて、粗忽にも程がありますよね。これを発注し受領している諸機関にも、原発を扱う資格なんてないでしょう。

また、ロボットの足回りが、「ガレキ」を克服できるものではなくて、ガレキが存在すると、もうそこから先へは進めない、というのも、お話になりません。つまり彼らは「テロ」を予想していなかった。終わってます。最初から終わってます。日本の原発専門家に、原発を運用する資格はなかったのです。

 ~後略~
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猛獣王S