引き続きヤスの備忘録リンクより転載します。
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エジプト革命ではどうだったのか?

では最近にアラブの春、特にエジプト革命ではどうだったのだろうか?「オトポル」のような外部の勢力や、米国系の国際的なNGO組織の関与はあったのだろうか?

エジプト革命を主導した組織

エジプト革命を主導した組織を見て見よう。

4月6日運動
2008年4月6日にゼネストを呼びかけたことを契機に形成された若者を中心とした民主化グループ。
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変化のためのエジプト運動
基本的にはイスラム主義だが、自由主義者やマルクス主義者なども結集する幅広い国民運動。

ムスリム同胞団
1928年に発足したイスラム原理主義の運動団体。

変化のための全国共闘
元IAEAの事務局長でノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ氏が主催する運動。幅広い層の結集を狙う。

エル・ガアド(明日の党)
2004年10月に設立された民主化運動団体。イスラム主義とのつながりはない。

新ワフード党
第一次大戦直後に形成された西欧型の議会制民主主義を目指す団体。1974年に再結成。

これらの団体で、カラー革命の「クマラ」、「ボラ」、「ケルケル」などの青年運動組織と同じ役割を担っていたのは「4月6日運動」である。この運動組織は大都市の大学生を中心とした組織で、今回の抗議行動の始まりとなった2011年1月25日の抗議デモの中心となったグループである。

ツイッターとフェースブックを駆使するグループ

今回の中東の民衆運動では、最先端のネットツールのツイッターとフェースブックが大きな役割を果たしたとよくいわれる。たしかにツイッターとフェースブックは、特に若者を中心に、多くの市民を結集する上で大変に大きな力になったことは疑いない。

そうしたツールをもっとも早くから多用し、抗議運動の組織に役立てたのが、この「4月6日運動」であった。

オトポルと4月6日運動

では、カラー革命では主導的な役割を果たした「オトポル」と、エジプト革命を先導した「4月6日運動」にはなんらかのつながりがあるのだろうか?

エジプト革命の動きは、中東、カタールのテレビ局、アルジャジーラが24時間ライブで報道していた。アルジャジーラは、エジプト革命にまでいたる動きをつぶさに伝えていた。

このなかでアルジャジーラは、「4月6日運動」が「オトポル」の研修に参加しており、抗議運動の組織方法やデモの実施方法などを訓練されていたと報道した。アルジャジーラのインタビューには「オトポル」の担当者が応じており、「4月6日運動」にどのようなことを教えたのか詳しく語っていた。

このような情報から見て、カラー革命と同様「オトポル」が抗議運動の活動家の訓練に大きな役割を果たしたことは明らかである。

他の国々の抗議運動も同じ

民衆による抗議運動はイエメン、ヨルダン、バーレーン、アルジェリア、リビア、イランなどに拡大している。こうした国々でも、エジプト同様、ツイッターとフェースブックを使用した若者の団体が、抗議運動の中心となっている。

そうした状況を見ると、やはり「オトポル」が活動家の訓練にかかわっていた可能性は疑いない。「オトポル」はいまは、「CANVAS(平和運動推進のための戦略センター)」と名前を変え、セルビアの首都ベオグラードで民主化運動の担い手になる青年団体の訓練するためのトレーニングセンターを開設している。

少し前に「革命ビジネス(Revolution Business)」とういドキュメンタリーがユーチューブで公開されている。このドキュメンタリーでは「オトポル」のリーダーが実に率直にインタビューに答えており、トレーニングを行ったことを証言している。

The Revolution Business - World

一方「オトポル」は、2000年のブルドーザー革命のとき、国務省から資金援助を受けていたことを公式に認めている。これが分かった時点で、多くのメンバーは「オトポル」に幻滅し、離脱した経緯がある。これは、アメリカの戦略外交専門雑誌の「フォーリンアフェアーズ」の2月号に掲載された「Revolution U」という記事に詳しく解説されている。米国系の組織がアラブの春の扇動に大きな役割を果たした可能性は大きい。

明らかとなった米国務省の介入

このような観点で情報を詳しく調べてみると、アラブの春の中核となっている青年運動組織が米国務省によって直接トレーニングされていた実態が明らかになった。

2008年12月、「青年連帯運動(Alliance of Youth Movements)」という組織の結成大会がニューヨークで行われた。この大会は米国務省が主催しており、フェースブック、グーグル、ユーチューブ、MTV、ハウキャスト、ジェットブルー、AT&T、ジェンネクスト、アクセス360メデイアなどの最先端デジタル企業も参加し、コロンビア大学法科大学院の全面的な協力のもとで結成されている。

中心となる設立者のひとりは、ライス、クリントン両国務長官のITアドバイザーで、グーグルの子会社のグーグルアイデアのCEO、ジャード・コーエンである。以下のビデオは革命運動のトレーニングのオープニングセミナーだが、ジャード・コーエンがあいさつしている。ジャード・コーエンは国務省の代表者という肩書で出席している。

「青年連帯運動」は、青年を中心とした反政府運動のネットワークを作り、最先端のデジタルツールを政治的に利用する方法を訓練する組織である。エジプト革命の中心的な担い手となった「4月6日運動」はこれに参加したことは明らかになってる。

いま「青年連帯運動」は、「ムーブメンツ・オルグ」となり、草の根の反政府運動組織をつなげるネットワークとしての役割を担っている。

トレーニングを受けた「4月6日運動」も含め、「ムーブメンツ・オルグ」も「オトポル」も、また訓練を受けた側の「4月6日運動」のような青年組織も、こうした経緯をまったく隠してはいない。先の「革命ビジネス(Revolution Business)」というドキュメンタリーのなかで、当事者たちが非常に率直に語っている。

ヒラリー・クリントンは「ムーブメンツ・オルグ」に支持を公式に声明し、2009年メキシコシティー、2010年ロンドンで大会を開催している。
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続く



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