「東大話法」の欺瞞性について、安冨歩東大教授が鮮やかに解説されています。

『原子力ムラでまん延 「東大話法」 思考奪う 偽りの言葉  高慢 無責任な傍観者』(安冨歩・東大教授に聞く 東京新聞 2月25日)より転載します。引用元:「一輪の花」リンク
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着想のきっかけは福島原発事故の直後、NHKに出ずっぱりだった関村直人(原子力工学)の話しぶりだったという。

関村教授といえば、不安でテレビにかじりつく視聴者に向かって、実際に起こっていそうなことよりも、ずっと楽観的な「安全」を強調し続けた専門家。

1号機が爆発したのではないか、という一報にも「爆破弁を作動させた可能性がある。」などと言い切り、あとにひどい学者不信を招いた。
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「過酷事故が目の前で起こっていても、官僚や学者は原発を安全と印象づける『欺瞞言語』を手放さなかった。東大で見聞きする独特の話しぶりにそっくりだと思った。」

ちなみに「東大話法」とは、東大OBが最も巧みに操るだけで、出身大学とは関係なく散見されるとか。

爆発事故を「爆発的事象」と繰り返した東北大出身の枝野幸男官房長官の会見も、典型的な東大話法という。

「正しくない言葉で、まずだましているのは自分自身。
目の前で爆発が起こっている現実を直視できなくなり、正気を疑うようなことも平気でできるようになる。」

二十代のとき、2年半の銀行勤務の経験もある経済学博士だが、安冨歩教授の研究テーマは、「なぜ人間社会は暴走するのか」。

バブルに突き進んだ銀行の暴走と、戦争に向かってひた走った昭和初期の日本社会の相似に気づき、既存の学問分野を超えて探求してきた。

安冨歩(やすとみ あゆむ)教授は、「最も恐ろしいのことは、危機的な事態が起こった際、正しくない言葉を使うこと。それは一人一人から判断力を奪う」と強調する。

●危険なものを危険といわず

戦前、戦時中に「日本は神の国だ」などと言い続けたことが客観的な現状認識を妨げ、いたずらに犠牲者を重ねた。

そんな「言葉の空転」が原子力ムラでもまん延していると指摘する。

「『危険』なものを『危険』と言わない東大話法が偽りの安全神話を支え、事故を招いた」

先月出版した「原発危機と『東大話法』」(明石書店)では、上から目線の話しぶりに潜む東大話法のウソを暴いた。

「暫定的」と前置きしつつ、二十も列挙した法則の主な項目を見ると・・・。

規則1:自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する

「原子力関係者がよく使う言い回しに、『わが国は・・・しなければなりません』がある。

『私』ではなく、往々にして国や役所などを主語にするのが『立場』の人です。」

日本人のほとんどは、立場に合わせて考え、「立場上そういうしかなかった」といった言い訳もまかり通りがちだ。

「責任から逃げている『立場』がいくつも寄り添い、生態系のように蠢いているのが日本社会。しかし、『立場の生態系』がどこにいくのかは、誰一人知らない。」

●高慢 無責任な傍観者 周囲もあぜん 「記憶飛んだ」

 規則8:自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル張りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。

原子力ムラには自分を「傍観者」とみなしたがる習性も根付く。

「客観的であることと傍観することをはき違え、なんら恥じるところがない」

傍観者ぶりが際立っているのが、原子力安全委員会の斑目春樹委員長。
無責任な発言を繰り返し、「デタラメ」と揶揄された東大OBだ。

つい最近も、事故直後の対応を聞かれた国会の原発事故調で「一週間寝ていないので記憶が飛んでいる。(官邸に)どんな助言をしたか覚えていない」と、当事者とは思えない言い訳をして、周囲をあぜんとさせた。

「原発に反対し続けた京大原子炉実験所の小出裕章さんが、講演のたび『原子力にかかわってきた者として謝罪したい』と繰り返しているのと比べると驚くばかりの傍観者ぶりだ。」

規則3:都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけを返事する。

規則5:どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも、自信満々で話す。

九州電力の社員動員が発覚した2005年の「ヤラセ討論会」に参加した灯台大学院の大橋弘忠教授(システム量子工学)も、典型的な東大話法の使い手だという。

討論会の議事録などによると、参加者の一人だった小出助教授は「人は間違うし、想定外の事態も起こり得るので、安全余裕をなるべく多くとるのが、原子力のようなものを扱うときの鉄則だ」と主張していた。

これに対し、大橋教授は「安全余裕を完全に間違えて理解している方の考え方」と冷笑。

水蒸気爆発の心配をする市民団体の代表にも、「私は水蒸気爆発の専門家」と胸を張り、見下すような議論に終始した。
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続く




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