現在も全村避難を強いられてる福島県飯舘村では家畜の原因不明の病気や、生後1ヶ月以内の死亡が増えているようです。

震災のあと AFTER 3.11
2013.3.20 福島県飯舘村 「大変なことが起こっているよ」(リンク)より引用します。

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(前略)
映画にでも出てきそうな美しい村に震災以前は6000人の人が暮らしていたそうです。しかし、今は数えるほど。放射能の影響で全村避難を強いられていますが、この村にたった1人牧場に残り馬の世話を続けている人がいました。細川徳栄さん、飯舘村で3代続く家畜商の方です。

細川さんは会うなり「この国は狂ってる。大変なことが起こってるよ」と切り出すと、挨拶も早々に牧場へと案内してくれました。この数週間で馬がバタバタと倒れはじめたんだそうです。牧場には32頭の馬がいましたが、そのうちの4頭はヨロヨロと腰が立たない状態で、一番症状がヒドい白いミニチュアホースは毛並みもボロボロ。同行した獣医さんの診察では目に黄疸症状が出ていて、原因は不明ですが肝臓をやられているようでした。何より膝がガクガクと崩れることを不思議がっていました。細川さんは「こいつはもう今月もたないと思うんだ。かわいそうに」と言いながら横たわる馬を撫でていました。牧場の脇を野生の猪が突っ切っていきました。
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今年に入って15頭の馬が生まれたものの、14頭は1週間から1ヶ月足らずで亡くなったそうです。

「小さい頃から馬と暮らしてきたけれど、こんなことは初めてだ。異常だよ。それもこれも放射能だと思うんだ」と細川さんは放射能の影響を強調していました。もちろん科学的な根拠はありません。長年、馬と触れ合ってきた感覚なんだと思います。

これまで避難区域で亡くなっていった牛たちのことは報道でも伝えられていましたが、その多くは餌を与える人がいなくなったことでの栄養失調が原因でした。この牧場の馬たちは十分ではないでしょうが餌は与えられています。症状が出ていない馬たちは決してやせ細ってもなく、食欲もあるように見えました。後日、保健所にお願いし血液検査を行ったところ、結果は伝染病でも栄養失調でもないことは断定されました。ですが、放射能の影響が懸念される白血病という判断もでませんでした。もっと詳しい検査をしないと衰弱の原因はわからないそうです。

先日、飯舘村を含めた福島原発周辺で動植物の異常が相次いでいるという4人の研修者の調査結果が東京大学で報告されました。ですが、子どもが甲状腺癌になっても放射能の影響はないとする現在の基準では、馬の異変を放射能の影響と断定するのは難しいでしょう。仮にそうでも影響があるから避難地域なのだと言ってしまえばそれまでです。でも、生き物が異常な状態で亡くなれば話の次元は変わると思います。この馬たちにいったい何が起こっているのか。

(中略)

震災後、一度は避難したものの家族同然の馬や牛たちを見捨てられず、奥さんと娘さんを残してすぐに村に戻ったそうです。家畜商の仲間たちに頼まれて、自分の牧場以外の牛や馬までトラックで助けにいき、以来、まさにたった1人で戦い続けています。馬たちを他の地域に避難させたいと村や東電に訴えて来ましたが、受け入れ先がないと断られ仕方なく村に1人残り世話を続け、それどころかこれまで自ら全国の伝手をたどって、なんとか引き取ってもらった87頭の補償に対する賠償請求も「飼育していた証拠がない」と東電から突っぱねられている。

「本当はもう限界だよ。だけど、今まで先祖代々自分たちを助けてくれた馬たちを置いていけない。処分なんてできるわけもない。俺は馬と一緒にここで死んだっていいんだ」

細川さんは、周りの説得も無視して健康診断もホールボディカウンターの検査も拒否しています。細川さんにとって、その結果がどうあれ、今やるべきことは馬への恩返ししかないのだと思います。

(中略)

特に症状の重かった白いミニチュアホースは細川さんが言っていた通り、一週間後の3月末に亡くなりました。亡くなるとすぐにカラスが目玉をくり抜いていったそうです。

僕らは鬼気迫る細川さんにただただ圧倒され、想像以上にシリアスな状況を前に呆然としてしまいました。けれど何かが押し迫っていることは確かだとは思いました。

「この国は狂ってる。この先も大変なことが起こるよ」

細川さんは、誰に言うともなく、そう何度も何度もつぶやいていました。

(後略)

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松下晃典