『株式投資の全て』より引用リンク
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皆さん「押し紙」はご存知ですか?

本来タブーである「押し紙」ですが、最近は週刊誌などでも取り上げられる事もあり、今現在はそれなりに有名になっていると思います。押し紙とは新聞社が販売店に必要以上に押し付けている新聞の事です。

新聞社は新聞を販売店に卸す事が大きな収入源ですし、卸す部数が増えればそれだけ公称部数も増えその新聞の価値も上がります。典型的な例では多くの人の目に触れるのであれば新聞内の広告掲載料も高くなり利益が上がる…といった感じ。

しかし近年の新聞離れも相まって業界は苦境に立たされています。ちなみに三大紙(読売、朝日、毎日)の公称部数はどんなものか?
・読売新聞:約1000万部
・朝日新聞:約800万部
・毎日新聞:約350万部
…となっており、この部数はここ数年ほとんど変わっていません。
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しかし実際私が関わっていた新聞店では5、6年前位をピークに大幅に部数は減りました。その販売店ではピーク時4500部ほどあった本紙は今現在3500部ほどで、2割超の減少です。

もちろん販売店によって減少率は違うでしょうが、数年前に比べ明らかに新聞離れは進み、ほとんどの販売店で多かれ少なかれ部数は減っています。つまりここ数年ほとんど横ばいの公称部数はウソッぱちだという事。もう一つ言うなら、関わりのある件の新聞店はピーク時には雨の日に配達員が新聞を積んだバイクを倒してしまったりしたら駅売りの分を引き上げたり、別の新聞店から持ってきて配達に当てなければならないほど新聞に余裕が無かったのですが、今現在は毎日700~800部は捨てています。

つまりこの700~800部が「押し紙」なのです。

新聞店にはノルマのようなものがあり、急激に部数を減らしてしまったら本社の意向で販売店の所長を代えられてしまいます。部数を減らす無能な所長は必要ないという事です。それでも確実に世の中の新聞離れは進み、ネットなどの迅速な情報源に押されています。この状況で部数を増やす、あるいは維持する事など極めて困難で、どの販売店でも部数を減らしている状況ですが、上記の理由から本社から仕入れる新聞を大幅に減らすことなどできないのです。

本来はかなり減っているはずの部数も仕入れる新聞数はさほど減らせず、つまりは押し紙が増える状況にあります。そうして毎日数百部という新聞を捨てている訳ですが、その捨てている新聞の代金も当然本社に支払うため経営を圧迫する原因になります。では具体的にどのくらいの割合で押し紙が存在しているのでしょう?

まずは押し紙による損失と、その割合を見てみましょう。例えば実際に販売店で配達している新聞の部数は3000部なのに、本社から購入している部数は3600部だったとします。この場合押し紙は600部という事になり、一月にすると「600×30=18000」で、18000部捨てる事になります。

で、問題は新聞の原価がいくらかですが、これは購読料の7割とも8割とも言われています。仮に朝刊のみだけだとして、一ヶ月の購読料が3000円で原価7割と8割で計算してみましょう。

・7割なら…
3000円×70%=2100円
2100円×600部=1260000円

・8割なら…
3000円×80%=2400円
2400円×600部=1440000円

押し紙が毎日600部出るとしたら一月で130~140万円前後の無駄な出費があるという事になり、経営にとって相当な負担になるのは間違いありません。今回は3600部の仕入れに対して3000部が実配で、押し紙は600部というのを例にしましたが、「3600部に対して600部の押し紙では押し紙比率が2割近いけど、ちょっと多すぎない?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。では実際の販売店の押し紙比率はどうなっているのでしょう?

実は2割というのは比較的マシな方なのです。私の関わりのある新聞店だと4200~4300部の公称部数に対して押し紙は700~800部で、押し紙の比率は2割弱となっており、これもマシな方。酷い所になると押し紙比率が5割を超えることも…

発行部数日本一の読売新聞は比較的押し紙の比率は少ないのですが、朝日新聞になるともっと比率は高くなり、毎日新聞に至っては結構酷い状況になっています。新聞業界全体で見ればおそらく3割~4割前後くらいが押し紙だと思われます。各新聞社はこうやって新聞購読料を確保しつつ広告掲載料の維持を図っているのです。(引用終わり)
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高橋健一