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2月に続き、またもヨーロッパ各地で「発生源のわからない放射能が検出」される。今度は半減期376日のルテニウム106。どこで何が起きているのか
 
10月4日のフランスの報道より

欧州で連綿と続く「どこから来ているのかわからない放射能」は何なのか?

検出された場所は前回と大体同じだけれど、物質は違う
ヨーロッパで大気中の放射線の測定と分析などを行う機関のひとつに、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)がありますが、今年2月に、ヨーロッパの各地で放射性物質「ヨウ素 131」が検出された際には、フランス放射線防護原子力安全研究所が地図と共にそれを発表しました。

今回は、10月3日にフィンランドの機関が放射線を大気中から検出したことがフィンランドのメディアで報じられ、その後、ヨーロッパの他の国でも検出されていることがフランス放射線防護原子力安全研究所のプレスリリースでわかりました。

下がプレスリリースの概要です。

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Detection of ruthenium 106 in the air in the east and south-east parts of Europe
IRSN 2017/10/04

ヨーロッパ東南東部で大気中からルテニウム106が検出される
放射性ルテニウム 106が、いくつかのヨーロッパの地域で、大気中の放射能汚染モニタリングにより検出されている。
ルテニウム 106は、人工起源の放射性核種で、原子力産業由来の核分裂生成物だ。また、この放射性核種は、小線源治療(患部に微量の放射線をあてる治療)のための医療分野でも使用される。
10月3日、オーストリア環境省は、環境および健康には影響を与えない程度の少量のルテニウムを検出したことを示す声明を発表した。続いて、ノルウェー原子力安全機関(NRPA)も、大気中から低レベルのルテニウムが検出されたことを報告するプレスリリースを発表した。
そして、スイス連邦公衆衛生局(FOPH)も「空気中の放射能レベルは低い」として、ルテニウムの測定結果の最初の結果を発表した。
これらの測定により、9月25日から10月2日の間、これらの地域のエアロゾル中の放射性元素ルテニウム106の痕跡を明らかにした。
ルテニウム106の半減期は 373.6日となる。
10月2日までの最後の 48時間の気象条件は、東ヨーロッパから西ヨーロッパへの大気の移動はなかったことに留意すべきだ。この気象条件に基づいて、ヨーロッパのこの大気汚染の原因を明らかにするために軌道の計算が行われている。
今回、ヨーロッパのモニタリングネットワークによって観察されたルテニウム 106の大気汚染のレベルは非常に低く、環境や健康に影響はもたらさないが、しかし、それでも、IRSNは、大気中のこのルテニウムの存在を注意深く監視している。
というようなものです。
ちなみに、この「ルテニウム」といいうものは、たとえば、日本の厚生労働省が、東北の震災の後に発表した「規制の対象とする核種」に入っているものです。

これを見ますと、ルテニウムってのは微妙な宿命を負った物質だと思ったのは、ここには、原発事故で放出される放射性核種のうちの「半減期 1年以上の放射性核種」がリストされているのですが、ルテニウム 106の半減期は何と「 367日」。 1年を 2日だけ飛び出てしまったのでした。これが「半減期 364日」だと、この表には載っていなかったのですね。

ともあれ、ルテニウム 106は、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどと同じ規制の対象となっているものではあります。

つまり、ルテニウム 106というものもまた、他の放射性物質と同様に、

「そうそう簡単に大気中に漂うものではない」

ということで、2月の放射性ヨウ素1 31に続いて、またも「出所不明の放射線」がヨーロッパに漂っているということになりそうです。




真田俊彦