一頃は濃い霧を発生させていたのに、それが急にパタリと止まった。だからといって、放射能の汚染は沈静化したと喜んではおれない。

1、2、3号機の溶融燃料は、格納容器の底を抜けて地下水を広範囲に汚染しているのは確実。そして、地下水は必ず海とつながっており、海岸を汚染している可能性は高い。

そのことを裏付けるような論文が発表された。

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◆「科学者たちが福島原発事故の新たな放射能汚染源を見つける」(リンク)

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福島第一原発事故で漏れた放射性物質が、以前は予期しなかった場所に堆積していることを科学者たちは見つけた。それは、60マイルまで離れた海岸の砂と地下汽水にあった。
2011年の事故で放出された放射性セシウムは砂に吸着し蓄積され、徐々に海洋に放出された。

「誰も晒されたり飲んだりしないので健康上大きな問題はないが、この放射性物質の蓄積と海洋への放出ルートは新発見で予期しなかったことであり、原発付近の海岸の管理において考慮すべき問題である」と10月2日発行のナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス論文集で科学者たちは述べている。
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ウッズホール海洋研究所のヴァージニー・サニアル、ケン・ベッセラー、マシュー・シャレットと金沢大学の長尾誠也からなる研究チームは、2011年に放出された高レベルの放射性セシウム137は、海流により海岸沿いに運ばれたと考えている。
事故後、何週間にもわたって、高濃度汚染水に含まれたセシウムを波や潮が海岸へと運び、セシウムは砂粒の表面に吸着した。セシウムに汚染された砂は、海岸と、その下にある真水と塩水が混じりあって塩分をわずかに含んだ汽水にとどまった。

しかし、塩水中においてはセシウムは砂に吸着されたままとどまらない。
波や潮が海洋より塩分を含んだ海水を運んでくると、海岸の下の汽水は十分に塩分をふくみ、セシウムを砂から解き放ち海へと戻すのである。

「現在、海水中の最高レベルのセシウムが、福島第一原発の港ではなく、何十マイルも離れた海岸の砂の下にある地下水で見つかるとは誰も思わなかった」とサニアルは語った。

この海岸の下の地下汽水から海に流れ込む汚染水の量は、すでに知られている他の2つの汚染源からの量、すなわち継続的に福島原発自体からの放出・流出量、そして2011年に陸に降下したセシウムを河川が堆積物とともに海へ流出する量と、同じであると科学者たちは推定している。今も続くこの3つの汚染源は、2011年の事故直後とくらべ、今日では数千分の一である。

研究チームは、2013-16年に事故を起こした福島第一原発から60マイル以内の8ヶ所の海岸でサンプルを採取した。3~7フィートの長さの管を砂に差込み地下水をくみ上げ、セシウム137の含有量を分析した。セシウムのレベルは、福島第一原発港湾内の海水よりも最大10倍も高かった。さらに、3フィート以上の深さの砂の中にあるセシウムの総量は、沖合いの海底の堆積物よりも高かった。

セシウムは長い半減期を持ち、長期間環境に存在する。この分析で、科学者たちは、福島第一と1950-60年代の核実験によるセシウム137だけではなく、2011年の事故のみが由来のセシウム134も検出している。

さらに研究者たちは、日本の海岸で得たサンプルを研究室に持ち込み、セシウムが砂粒に吸着され、塩水に洗われると放出されることを実験で示した。

「それはまるで、2011年の事故で汚染されたスポンジが徐々に汚染を減らすかのように砂はふるまう」とベッセラーは語る。
*画像のアドレス(リンク)

「ちょうどセシウムが徐々に減衰するように、ゆっくりと砂からセシウムが除去され、海水に洗われる」とサニアルは語る。

「世界には稼働中の原発が440基あり、その約半分が海岸線に建っている」と研究者たちは述べる。以前は知られていなかったこの汚染源は、現在も継続して沿岸を汚染しており、原発のモニタリングや将来の事故を含めたシナリオにおいて
考慮する必要がある。

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福島第一港湾内の海水よりも数十キロ離れた海岸の地下水のほうが何倍もセシウム汚染がひどいということは、ちょっと信じがたいですが事実でしょう。

彼らは海流が運んだと主張していますが、はたしてそうでしょうか?
別の汚染源があるのではないでしょうか?

1、2、3号機の溶融燃料は格納容器を底を抜けて地下深く沈降し、地下水を広範囲に汚染しているのは確実です。

地下水は必ずどこかで海とつながっており、海岸を汚染しているのではないでしょうか。
考えたくない深刻なシナリオですが、十分ありうると思います。

この研究では、汽水から沖に流れ出たセシウムがその後どうなるのかは論じていません。
おそらく、一部は波の泡沫とともに海岸に戻ってくるのでしょう。

この研究者たちは人間への影響は軽微だと述べていますが、とんでもないことです。(そう言わないと研究費が確保できないのでしょう)

海岸表面から1、2メートル下の地下水にひどい汚染があれば、海岸表面の砂も少なからず汚染されているはずです。

福島と近隣県での海水浴、サーフィン、釣りが非常に危険であることが、この報告書からもよくわかるでしょう。

海、海岸は危険です。

東日本、太平洋側に在住の方は、なるべく海から離れて暮らすべきでしょう。

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⇒日本の沿岸海域への福島県からの放射性炭素の予期しない発生源(リンク)
 



小圷敏文