ロシアの気象機関・水文気象環境監視局が、同国内の放射線環境に関する報告を公開しました。同報告により、2017年9月25日から10月1日までの期間で放射性核種ルテニウム106(106Ru)のβ線レベルの上昇が南ウラル地方の全ての観測地点で記録されていたことが明らかとなった模様です。

実は、同時期に欧州各国でこの話題は頻出していました。
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実態と背景はどのようになっているのか?気になる話題です。

(以下、リンクより引用)

ルテニウム106の放射性降下物は9月26日と27日にタタルスタンで、同27日と28日にはヴォルゴグラードとロストフ・ナ・ドヌで、10月2日から6日にかけてはサンクトペテルブルクでそれぞれ認められた。9月末には大気中のルテニウム濃度に関する情報がヨーロッパからも発信された。まずドイツ連邦放射線保護局が5箇所の地点でルテニウムを確認した。但し同局専門員らは、濃度はごく僅かで人体の健康に影響をもたらすものではないとし、今回検出されたルテニウム106のレベル上昇の原因は原子力発電所事故によるものではないとの見方を示した。フランスの専門家らは、放射性物質の漏洩はロシアのウラル地方或いはカザフスタン共和国が発生源と推測していた。
ロシア水文気象環境監視局地勢センター責任者のユーリィ・ヴァラキン氏は「スプートニク」のインタビューに対し、本件報告の公開が遅れた理由は、各観測地点からのデータ到達にばらつきがあり、その後分析にかけ、確認と再確認の作業を経ていたからだと説明する。
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「今ではルテニウム106のレベル上昇が検出された場所がチェリャビンスク州だという見方になっている。ここには核物質を扱う『マヤーク』施設がある。だが我が局では放射線汚染源の特定には携わっておらず、同局が管理する観測地点から得られる数値を記録、確認、分析しているだけだ。また、このようなレベル上昇はほぼ同時期に他の国々でも認められていることは述べておきたい。しかし、どれほどのルテニウム濃度が住民に危険なのか、或いは安全なのかについても、我々の局では評価できない。これは他の機関の管轄だ」

ロシア国内外のメディアで放射線濃度上昇に関する情報が報じられ、「マヤーク」に対する非難が現れ始めた。それを受けて「マヤーク」は今回の放射性物質による大気汚染への関与を否定している。同施設広報の発表内容は以下のとおりだ。
「大気中のルテニウム106の放射能数値の上昇は、同時期に西欧諸国やタタルスタン、ヴォルゴグラード、南ウラルでも記録されており、その数値も10〜20ミリベクレル/立方メートルのレベル内で共通している。特に高い濃度が観測されたのは、我々の『マヤーク』施設より約3千kmも離れたスロバキアとルーマニアだ。また施設内では、使用済み核燃料から放射性同位元素のルテニウム106を分離する作業はもう何年も行っていないことも併せてお伝えしておきたい。ルテニウム106による大気汚染に関して公開された情報を見れば、人体が受ける放射線量は年間許容線量の20分の1であり、人間の健康や生命に危険が及ぶものではないとの結論を導くことができる」

毒性学研究所のアレクサンドル・グレベニュク教授は、放射性同位元素のレベルは過去の計測値ではなく、具体的な許容基準値と比較すべきだと主張する。臨界値まで上昇した際には必要な措置が取られるからだ。

この都市(チェリャビンスク市)およびこの施設(マヤーク)では、明確な放射線安全システムが存在している。仮に同施設から放射線漏れが発生し、ルテニウム106のβ線レベルが基準値を超えていれば、避難などの防護措置が取られていただろう。そのような措置がなかったということは、レベル上昇もなかったということだ

グレベニュク教授によれば、同施設内で異常事態を隠蔽するような者は誰もいないという。

チェリャビンスク州のエヴゲーニィ・サフチェンコ公安相の説明によると、州政府からロシア水文気象環境監視局とロシア国営原子力企業「ロスアトム」に対してバックグラウンド線量に関する照会を行ったところ、線量の変動はあったものの危険レベルに近づくことはなかったとの回答が得られたという。サフチェンコ氏は「政府職員もその家族も、放射性物質に耐えられるような『予防接種的な処置』を受けているわけではない。だから仮に危険な情報を隠蔽して人々の救済措置を取らないとすれば、それは完全な馬鹿者に違いない」と強調する。

1986年にチェルノブィリ原発事故が発生したとき、ソ連当局はこの情報を世界のみならず自国民にも隠蔽しようと試みた。しかも住民を避難させるどころか、キエフでは5月1日のメーデー集会に住民を動員した。それ以降、「放射能」という言葉が記されたあらゆる情報に人々が不安を抱くようになったのは、全く理解できることだ。

(引用終わり)




志葉楽