(331902の続きです。)

■実際の被害は約40倍(関東圏全体で毎年約40万人、50年間で1200万人の致死リスク)がん以外も広範囲の健康被害が!

政府と政府側の「専門家」たちは、ICRPモデルを知らないはずがない。知っていながら、福島事故の放射能被害が「全くない」という露骨な嘘とデマで人々を欺そうとしている。
実際には、ICRPのリスク係数には大きな過小評価がある。ICRPに批判的な欧州放射線防護委員会ECRRは、その過小評価率を約40分の1としているため、数を40倍に補正する必要がある。すると、東京圏の人口約1000万人で、1年間の追加的な被ばくにより過剰に生じる生涯期間のがん発症とがん死は、毎年およそ18万人と4万人強になる。50年間では、およそ520万人と130万人程度という膨大な人数になる。

だが、ICRPによる被害の過小評価は、上で見たような量的な側面だけにとどまらない。ICRPは、基本的・本質的に、原発や核利用を推進するための機関であるからだ。
ICRPは、低線量被ばくの影響もがんだけしか認めず、心臓病からアレルギー、流死産や遺伝的影響、神経疾患にいたる広範囲の非がん疾患のリスクを認めていない。微粒子、酸化ストレス、トリチウム、免疫低下・異常、非DNA標的などの特殊な危険性を認めない。
よって、非がん死をがん死と同程度になると仮定すると、数は倍になる。つまり、東京圏の住民の致死リスクは、毎年でおよそ9万人、50年間では260万人。人口4.5倍の関東圏全体の致死リスクは、毎年およそ40万人、50年間では1200万人となるのだ。
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各個人の放射線影響に対する感受性には、顕著な差異がある。乳幼児や若年層、女性、がん関連遺伝子に変異を持つ人々(人口の約1%)など、感受性が著しく高い人口集団が存在する。だが、ICRPは、「平均化」の原則の下に、個人間の放射線感受性の差異を認めず、単一の被ばく基準を当てはめる。これは、高感受性の人々の生存権・人格権の否定に等しい。
放射線被ばくとの関連性の高い血液がんや白内障、周産期死亡が増加するなど、東京圏での健康被害の顕在化を示す現象はすでに現れている。このような中で、東京や関東圏から関西や以西への避難者の人々が、「関東からの避難者たち」という組織を立ち上げ、避難のアドバイス、情報交換やその他の連帯活動を開始した。それは、避難者の運動のみならず被ばく反対の運動における重要で大きな一歩前進となるであろう。
 



麻丘東出