大飯原発の運転期間延長方針を一転し廃炉を決定した関西電力。
ようやく「原発一緒に心中する」ことになる可能性が高いことに気づき始めたようです。

リンクより転載します。
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「運転差し止め」仮処分の「司法リスク」にさいなまれる電力会社の首脳陣

小坂正則

新聞報道によると、「関西電力は今月22日に臨時取締役会を開いて、大飯原発1号機と2号機の廃炉を決定する」とありました。

関西電力大飯1号機と2号機はそれぞれ117.5万kwという100万キロワットを越える巨大な原発ですが、2019年に40年を迎える老朽原発発です。これまで廃炉を決めた6基の原発はどれも50万kwそこそこの小型で40年を迎える原発ばかりでした。安倍政権は2030年代の電力比率を再エネが22~24%で原発が20~22%の電力を賄うという目標に決めています。再エネは現在が15%ですから、30年前にもこの目標を到達しそうな勢いなのですが、原発20%の目標を達成させるには、今動かす可能性のある原発の全てを再稼働させて40年の寿命が来た原発も全て20年延長をさせなければこの22%の目標など達成できないのです。そんな厳しい現状の中で、安倍政権の至上命令を無視するかのような「大飯1,2廃炉」決定を関西電力の経営陣は出したのです。
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■背に腹は変えられない関西電力

上の図にあるように関西電力と東京電力の電力販売量の落ち込みが激しいのです。2010年に比較して2016年には20%、東京電力が18%も電力販売量が減っているのです。311以後電気料金の値上げにより新電力への乗り換えと、省エネ化などの製品開発により、電力需要は年々減っている中で、関西電力は高浜原発など7原発の再稼働に向けての安全対策に8300億円もつぎ込んでいるのです。年間売上高が3兆円で、純利益が1400億円の企業でも8300億円の大きな負担がのし掛かっているのです。その上、大飯原発1、2号を動かすためにはそれぞれに2千億円の負担が掛かるので、1兆2千億円の投資を回収できる見通しが立たなかったのです。17年4月~9月の電力販売量は実に前年度同月比25%も減ってるのです。大阪ガスに対抗して電気料金を値下げすれば顧客は戻ってくるかもしれませんが、値下げすればそれだけ1兆円近くの債務を返済できなくなるのです。しかも関西電力管内では大阪ガスが関西電力よりも大幅な値引き料金で顧客をどんどん食っています。

これまでは地域独占でかかった費用は全て電気料金に価格転嫁していればよかった親方日の丸経営が、16年から始まった一般化家庭も含んだ「電力自由化」によって、価格転嫁できなくなったのです。

■100万kwの原発廃炉ショックに「伊方原発差し止め」は追い打ちのショック

東京電力など他の電力会社も、「安倍政権の至上命令を無視して決断」した、関西電力の廃炉決定に皆さん「びっくり仰天」しているようです。しかし、それに追い打ちをかけるような出来事が12月13日、またまた起こったのです。広島高裁が「伊方原発3号機の運転差し止め」の決定を下したのです。

2014年5月に福井地裁の樋口裁判長は大飯原発の仮処分で運転差し止め決定を出しましたが、再稼働の前だったので、影響は最小限でした。そして2016年3月に高浜原発3、4号機の運転差し止めを大津地裁の山本裁判長が下しました。「動いている原発を止める」という日本で初めての決定に関西電力だけではなく、全電力会社も安倍政権も大きなショックだったことでしょう。しかし、その後は上級審でことごとくに住民側の訴えは棄却されて、「これで何とか原発再稼働も順調に進むか」と、思っていた矢先、12月13日の広島高裁で「差し止め決定」が出て、またまた原発の先行きに赤信号が点滅し始めたのです。

■内憂外患の末期状態の関西電力など電力経営者

高浜原発の運転停止中に関電が被った損失は1800億円とも言われています。伊方原発3号機は、月に35億円の損失だそうですから、350億円の損失です。それだけ大きな損失をこれからも関西電力に四国電力や他の電力会社も「動いたり止まったり」の司法リスクがつきまとって来るのです。安倍政権も末期状態なので、「次の政権が我々を見放すかもしれない」という恐怖に電力会社の経営者たちは駆られているのでしょう。

国内では「司法リスク」に悩まされていて、おちおち運転ができるか先が見通せない状態で、外では「再エネ革命」が始まっていて、UAEでは孫正義さんが「1kwあたり2.6円で太陽光発電を300万kwも作っている」のですから、たまったものではありません。資源エネ庁や電力会社が「原発の電気は一番安い」と、嘘をつき続けても、そんな嘘はいつまでも国民をだまし続けることなどできっこありません。中国でも米国でも世界中で「再エネ革命」の嵐が吹き荒れているのです。残念ながら日本だけは執拗な再エネイジメを電力会社が行っていて、再エネ電力をやりたくても「送電線が一杯なので系統連携できません」と言って嘘をついてだまし続けているのですが、これも時間の問題です。つまりは原発を抱えた電力会社は「原発一緒に心中する」ことになる可能性が高いことに気づき始めたのです。それが関西電力経営陣の「大飯原発1、2廃炉」の裏に隠された「不都合な真実」なのです。
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転載終了。




磯貝朋広