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より引用です。
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■科学的根拠に基づいた公平・公正な議論をすべき

あれだけ止めておいたほうがいいと言っていたのに、タバコ撲滅を進めた東京都の小池百合子知事に続き、またもや感情論で、タバコ撲滅を目論む計画が、兵庫県が進んでいる。

兵庫県知事5選を果たした井戸敏三知事は、津波防災インフラ整備計画や山地防災・土砂災害対策計画を策定するなどのハード面、地域防災力の強化のため、地域での避難訓練への支援を行うなどのソフト面、ハードとソフトをともに充実させてきた十分な実績を持つ。築地でコケ、豊洲でコケた小池知事と違い、今さら人気取り政策に走る必要はない。

私はタバコを吸う。そして、タバコを嫌いな人が多数いることを承知している。
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議論で意見が分かれたとき、私たちはどうすればいいのか、それは科学的根拠に基づいた公平・公正な議論をすべきなのである。

どこぞの隣国のように、徴用工問題でも、レーダー照射問題でも、理屈抜きに「日本憎し」を掲げていればいいという国では、残念ながら日本はない。感情論だけで「タバコはダメ」というのであれば、将来に必ず禍根を残す。

タバコが嫌いな人にいくら理屈を説いても、「でもやっぱりタバコはあかんよ」で終わってしまうようなことが、日本ではこれまでずっと起きてきた。そういう光景を見ていると、日本人は果たして隣国のふざけた振る舞いを笑えるのか。ほんとうに心配になってしまう。

■飲酒による社会的損失は4兆円以上、タバコは半分の2兆円

話は大きく2つに分かれている。

1つ目は、「タバコは絶対禁止」にするのであれば、タバコよりも社会的に損失を与え、健康被害が明確に確認されている「お酒」についても「絶対禁止」にする必要があるということだ。

英国のがん研究所は「がんに関しては安全な飲酒量などない」と断言している。口腔がん、咽頭がん、食道がん、乳がん、肝臓がん、大腸がんは、アルコールとの関係が指摘されている。飲酒による事故やDVなどの社会的損失は、厚生労働省研究班の調査によると4兆円以上で、タバコは半分の2兆円だ。タバコが子どもにとって危ないという以上に、酔った人物による幼児虐待、暴力事件は後を絶たない。そういったお酒の被害者の声に耳を傾けずに、タバコだけはダメ、ということにはならない。

■行政による陰湿な中小企業イジメでしかない

そのへんから、すでに私は頭が痛くなってくるのだが、この加熱式タバコを一緒くたにすることによって、飲食店では経営の選択肢が他県に比べて狭まる。国法であれば現在の喫煙エリアを加熱式タバコ専用室として使用可能であるところ、兵庫県ではこれができず、場合によっては、これまでの投資が無駄になってしまうこともあるだろう。

これによって最も影響を被るのは、中小の事業者に他ならない。結局、その影響に耐えられない中小飲食店だけが競争から脱落していくことになる。せっかく準備を整えたのに、その努力をナシにするという条例なのである。行政による陰湿な中小企業イジメでしかない。

また、これは国の定めた基準からも大きく逸脱するものだ。兵庫県が国の定めた基準や科学的根拠を覆すファクトを、自ら調査して持っているのならそれで結構だが、兵庫県は何を根拠に突っ走っているのだろう。

この現代にあって、紙巻きと加熱式タバコを一緒だと考える国民はどれぐらいいるのだろう。臭いもほとんどなく、私は排気ガスや香水の匂いのほうが気になってしまう。吸っていても、全然パンチ力がないので、私には吸った気がしないぐらいだ。ましてや、健康被害が明らかでないのだ。これを禁止しようなどと考えるのは、ただの感情論ではないか。

■「健康被害の恐れがない」との証明などできるはずがない

兵庫県は「現時点で健康被害の恐れがないとの証明がなされていない」という。しかし、これは「悪魔の証明」と呼ばれるものである。「健康被害の恐れがない」との証明などできるはずがない。そんなことを言うなら、兵庫県庁の職員よ、身の回りにあるもので、健康被害の恐れがないことを証明してみてほしい。大根でもきゅうりでもいいのだ。健康被害の恐れがないことなど証明できようはずがない。

ちなみにでいうが、白米だって、牛肉だって、健康被害の証明はされている。

・白米には、糖尿病のリスクと正の相関関係がある。つまり、糖尿病になる危険が増す。
・加工肉の摂取量が1日あたり50グラム増えると脳卒中のリスクが13%増加する。赤い肉の場合は、1日あたり100~120グラム増えるごとに脳卒中のリスクが11%上がる。
 (津川大介著『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』より)

兵庫県は、健康被害が明らかになっている白米やソーセージを禁止しようというのだろうか。そうではないだろう。きちんと加熱式タバコの調査もせずに、感情論で先走るのは止めたほうがよい。

東京都の小池百合子知事は典型例だが、人気取りに走ろうとなると、結局、感情論優先で、敵をつくってタバコを規制しようとする。

兵庫県のインバウンドは、京都府(743万人)や大阪府(1110万人)と比べて、158万人と、あまり盛り上がっていない。加熱式タバコが禁止されたから、兵庫県は、海外の旅行者にとって魅力が上がるのだろうか。そうではないだろう。完全なる分煙を進めるのが、兵庫の魅力を高める施策だと思う。



時田 弘